パートナーシップ

患者さんと医療者のより良いパートナーシップを構築するために

昔から「医は仁術」に代表される道徳観と信頼関係に基づく医療が続いて来ました。しかし、医薬品の安全性の問題や医療事故、医療過誤が国民の目にさらされ、一機に医療に対する不信感が高まりました。医療以外の分野でおこった消費者、利用者中心のサービスのあり方の追及は、医療の世界では、「患者中心の医療(patient-centered health care)」の流れを生み出しました。

このことは、医療が、「患者の権利」、特に、自分の医療情報を知る権利や自分で判断し決定する権利と医療者の「職業倫理」の上に成り立つものでなければならないことを意味しています。言葉を代えれば、今後の医療においては、患者さんと医療者が対等な関係で、お互いの信頼に根ざしたパートナーシップ(対等な協力関係)を築いていくことが最も大切です。

そのために、私たちは以下のことを実践します。また、患者さんへのお願いもあります。私たちは、患者さんと力を合わせて適切な医療を進めて行きたいと考えています。お困りの点、お気づきの点、ご質問、ご批判などありましたら、是非、サービス対応室もしくは医療・福祉相談室へお越し下さい。当サイトからのメールや院内に設置してある投書箱をご利用頂くか最寄りの職員に直接お話頂いても結構です。忌憚のないご意見をお待ちしています。

私たちが心掛けていること

  • アドボカシー(advocacy)
    近年、「アドボカシー(advocacy)」という言葉が用いられます。「アドボカシー」とは、弁護、支持、唱道、主張、あるいはそのような仕事、職、手腕と訳されます。医療の面で用いられるときには、患者さんや障害者の方々の権利擁護や権利の獲得のための活動、社会提言活動をいいます。私たちはこのような活動を積極的に支援します。
  • 「患者の権利」と「医療者の倫理」
    私たちは、医療の原点である「患者の権利」と「医療者の倫理」を見つめ直して、あらたな気持ちで「患者と医療者のより良いパートナーシップとは何か」を追求します。その過程を通して、患者さんやご家族にとっての最も信頼できる協力者になりたいと思います。
    患者の権利について
  • 安全な医療の提供
    患者さんに安全な医療サービスを提供することは医療の最も基本的なことです。私たちは、一丸となって安全な医療を提供します。医療は患者さんのためのものであって、主役である患者さんが医療に参加することが、安全に医療を提供するためにも大切です。また、患者さんと医療者との対話によって、医療内容に対する患者さんの理解が進むとともに、お互いの理解が深まります。これこそ、良好な患者さんと医療者のパートナーシップを築く原点だと考えています。
  • 「根拠に基づいた医療(EBM)」と「インフォームド・コンセント(説明と同意)」、「セカンド・オピニオン制度」
    私たちは、正しい医療を提供するために「根拠に基づいた医療(EBM)」を実践します。私たちは、患者さんが受ける医療の情報について、事前に正確に患者さんに説明し同意を得ます(説明と同意;インフォームド・コンセント)。しかも、その説明は十分に患者さんに理解されたことが確認出来なければなりません。病気やケガの診断や治療法について、患者さんにより良く理解して貰うために、私たちは進んでセカンド・オピニオン制度(他の医師や他院の医師の意見を聞くこと)を利用します。
    インフォームド・コンセントについて
    セカンド・オピニオンについて
  • サービス対応室と医療・福祉相談室(相談窓口)
    通院や入院に関して、患者さんやご家族の不安やいろいろな問題、プライバシーや院内のあらゆる苦情や質問事項には、サービス対応室、医療・福祉相談室が対応します。医療・福祉相談室は、ケースワーカーが経済的な問題、社会復帰、各種申請の相談受付や指導・助言を行います。医療サービス全般にわたる質問や苦情、提案、要望などはサービス対応室にお伝え下さい。当院では、退院時のアンケート、投書箱、インターネットのホームページのお便りコーナーでの受付けも行っています。
  • 患者さんやご家族と協同するための具体的な内容
    全職員ひとりひとりが、患者さんやご家族に接する瞬間を大切にしたいと考えています。具体的には以下のようなことを行っています。
    1. 入院案内や院内掲示に「患者の権利」や「医療者の倫理」、あるいは「患者と医療者のパートナーシップを重視していること」を掲示しています。
    2. 医療者は患者さんやご家族のお考えをお尋ねします。
    3. 医療者は患者さんやご家族の経済的、社会的、心理的な問題についてのご相談を受けます。
    4. 医師は最新のガイドラインに添って「根拠に基づいた医療(EBM)」を実践します。
    5. 医療者は、患者さんに理解して頂けるように十分に説明します(インフォームド・コンセント)。
    6. 地域交流館には患者さんや御家族が病気やケガについての情報を得るための図書館やインターネットサービス機能があります。
    7. 他の医師や他院の医師の意見を聞くセカンド・オピニオン制度を推進しています。
    8. 患者さんと医療者が情報を共有するための「クリニカル・パス」を活用しています。
    9. 転倒予防について評価をして対策を立て、患者さんやご家族とともに転倒防止に努めます。
    10. 患者さんやご家族に理解して頂ける栄養指導や服薬指導を行います。
    11. 患者さんやご家族が病気やケガを理解したり、介護方法を学んだりするための勉強会や研修会を開催します。
    12. カンファレンスや担当者会議など患者さん・ご家族と医療者が一緒に考え、意見を交換する場を持っています。
    13. 退院前にはご自宅を訪問し、具体的な療養の環境について患者さんやご家族と共に考え支援します。
    14. 患者さんやご家族の会の活動を支援しています。
    15. 地域の皆さんを対象に健康会を開催して、皆さんと一緒に健康について考えます。
    16. 「寿量会情報セキュリティ・ポリシー」、「寿量会プライバシー・ポリシー」を遵守します。

患者さんやご家族に協力して頂きたいこと

適切な医療を実践するために、患者さんやご家族にお願いがあります。

  • 医療の主役は患者さん自身です。私たちは、皆さんの病気やケガを治すお手伝いをしたいと考えていることを理解して下さい。
  • アレルギーやこれまでの病気やケガのことなどご自分の健康に関することは出来るだけ詳しく教えて下さい。
  • 私たちの説明が判らない場合や納得できない時は遠慮なくお尋ね下さい。
  • 他の医師の意見や他院の医師の意見を聞くことについて遠慮なく申し出て下さい。
  • 医療の安全を確保するための規則や他の患者さんとの共同生活を維持するための約束事をお守り下さい。
  • 安全な医療を提供する努力をしていますが、残念ながら医療に絶対はありません。常に意図しない結果が起こる可能性があることをご理解下さい。
  • 当院は、医師、医学生、看護学生の研修教育、各種リハスタッフや臨床検査技師になるための学生実習などの研修教育を行っております。厳重な指導のもとに研修を実施していますのでご理解・ご協力をお願いします。