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再手術(再置換術)が必要となる主な原因

人工関節には宿命的な弱点があります。それは人工関節の可動する部分での磨耗と人工関節と生体(骨)を固定している部分でのゆるみです。再手術になる最も多い原因はこの人工関節のゆるみと磨耗です。人工関節には優れた素材が用いられ、また、骨との固着方法の改善によって、比較的若い人たち(30代〜40代)が、手術を受けられても、早期に再手術に至ることは少なくなっています。しかし、人工関節の術後20年以上を経過しますとやはり関節面の磨耗が生じてきます。骨との間のゆるみも起きてきています。さらに何度も転倒したり、階段から落ちるなどの大きな衝撃が幾度も繰り返し加わった場合は、人工関節の磨耗・破損や人工関節がゆるみが早まることも考えられます。水道の蛇口も扱い方が荒いと早くパッキンが壊れ、水漏れが起こります。これと同じように、人工関節も大事に扱うことが必要です。人工関節の磨耗や緩みは当初、症状は何も出ないことがほとんどです。その他、繰り返される脱臼や感染が再手術の原因になることもあります。
人工関節の磨耗や緩みの初期に再手術する方が大きな手術にならなくて済むことも少なくありません。定期的にレントゲンによるチェックは磨耗やゆるみが生じていないかを観察しているのです。手術後1年間は少なくとも2ヶ月に一回、その後は6ヶ月毎に、10年後も1年毎には病院を受診して欲しいと思います。定期検診以外の時でも、どこかいつもと違う痛みを感じたり、変な音がするなどの異常を感じたらすぐに担当医にご相談ください。
いずれにしろ再手術は出血量も多く、技術的にも手術が難しくなり、リハビリテーションも長くなる可能性があります。再手術を避ける為の日常からの工夫や心がけが必要です。

症例

この方は15年前に人工膝関節形成術を受けています。膝が腫れて、ギシギシ音がするということで来院されました。

膝関節内は真黒い関節液で充満していました。膝蓋骨の裏側にあるポリエチレンが完全に磨耗し、金属と金属がこすりあってギシギシ音を発していました。この状態をメタロージスといいます。

大きな骨欠損部には同種骨によって充填し人工関節を骨セメントにて固定しました。

症例

この方は81歳の女性です。21年前に人工股関節形成術をしました。術後、痛みも無く日常生活は快適に過ごされていましたが、数日前より股関節の痛みにより歩行が困難になり来院されました。レントゲン写真で骨盤側のソケットの磨耗と周囲の骨セメントにゆるみがあります。大腿骨側のステムの沈下とゆるみもあります。

右側のレントゲン写真は再置換手術後です。骨盤側にも大腿骨側にも大きな骨の欠損がありましたので、同種骨移植によって間隙は埋めています。