
骨の移植について
日本人の股関節症は骨盤のかぶりが小さいために起こってくる臼蓋形成不全を伴った関節症がほとんどです。その場合、大腿骨の頭の部分は外側上方にずり上がっています。手術でもともとあるべき骨盤に人工関節のソケットを装着しようとすると大きな骨欠損が生じます。そこで、摘出した大腿骨骨頭の部分を利用して骨移植することになります。その他、臼蓋の底の部分や後の部分の骨が不足することもありますのでその部分にも骨移植を行います。骨移植の範囲が広ければ、術後早期に体重を負荷することが出来なくなります。術後のリハビリにいくらか遅れが出る事も止むを得ません。
再置換術の場合は人工関節のゆるみによる場合が多いので骨の欠損がもっと多くなります。臼蓋の部分だけではなくて、大腿骨の方にも骨移植が必要になることがほとんどです。この場合、その人の骨を利用する事が出来ませんので他人の骨を移植することになります。これを同種骨移植といいます。同種骨は無菌状態で保存され、免疫原性(拒絶反応)も非常に少なく自分の骨(自家骨といいます)とほぼ同等の骨組織を誘導する能力があると言われています。しかし、現状ではこの同種骨が不足傾向にあります。同種骨で足らない部分は人工骨を利用します。
以上のように人工関節形成術には骨移植術が重要な要素となっています。
☆骨バンクについて
人工関節の再置換術では先に述べたように骨欠損が大きく、同種骨移植を必要とする症例が増えています。海外では当然のごとく行われている死者からの骨の提供が日本ではほとんど行われておりません。たとえ骨の提供の申し出があったとしても、それを受け入れる組織はまだ十分に確立していない状態です。そのような情況にある中で、平成17年7月NPO法人熊本県骨バンク協会が認可されました。熊本県骨バンク協会はドナーからの篤志による骨の提供を受けて、適切に処理(無菌的)した同種骨を、必要としている人々に安定的に供給し、人々の健康及び移植医療の発展に寄与する事を基本方針として設立されました。死者からのみならず、手術の一環として摘出され不要となった骨組織についても、それを必要とする患者さんの手術に使用する目的で提供していただきたくお願いいたします。
事務局は熊本機能病院内(?096-345-8111)にあります。熊本県骨バンク協会の活動にも皆様のご理解とご協力をお願いいたします。










