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手術後の痛みについて。手術後にも関節付近に軽い痛みを感じることがあります。

痛みの感じ方は非常に個人差があります。他人にはわかりづらいものです。手術直後は、手術したための炎症があるので、手術した部分が腫れて、痛いのは当然です。特に、膝の場合、皮膚が人工関節や骨に近いので、股関節よりも腫れや、痛み、熱感(あつい)が長く続き、時には、手術の部分に軽い痛みと熱感が半年間位続くこともあります。

股関節では、大部分の患者さんには、1ヵ月前後で、傷の痛みはほぼ完全になくなります。ほとんどの人は1年以上経過すると、手術したことを忘れ、ステッキを使わないで歩行されています。手術前から筋力の弱い人は、手術後も筋力の回復に時間がかかり、体重をかけ過ぎたり、重い物を持ったり、長時間歩いた後に関節の周囲の筋肉に疲労がたまり、痛みがでてきますが、しばらく安静するとたいていは次の日に回復しています。また、時には杖を使わないでは歩けない場合もあります。このような時は無理をしない事です。

関節の構造として、関節を動かすために、筋肉の両端が腱になっていて、この腱が骨に付着しています。骨に付着している腱の部分で強く引っぱられると、この筋肉の腱付着部分に炎症がおこり、痛くなることがあります。その原因としては、手術前まではあまり使っていなかった筋肉が手術後急激に使われるようになり、この腱の部分が引っぱられることで炎症が強くなり、痛みを感じるのだと思われます。また、手術により、周囲に炎症が残っていて、その一部が腱にもおよんでいるために痛みを感じることもあります。また、股関節の手術後、脚(下肢)が長くなった場合、筋肉が引き伸ばされ、これが骨に付着している腱にまでおよんで痛くなることもあります。
股関節において、痛みを感じる部分はさまざまです(1)股関節の後にある腱(外旋筋腱)の部分、(2)股関節の外側に突出している骨より、やや上方部分(大転子に付属している中臀筋付着部)、大腿骨の大転子部分を骨きりし、ワイヤーにて締結した場合、その部分の炎症をひき起こしている事もあります。(3)いすに坐る時に当る左右の骨の部分(坐骨に付着している筋肉の腱)、(4)股関節前方で骨盤の骨に付着している腱などです。また、殿筋に急激に負担がかかり、これが、坐骨神経に影響して、殿筋の上方部(坐骨神経の痛み)に痛みを感じることもあります。
術前からある変形性脊椎症による腰痛などが術後股関節の痛みが取れた事によってひどく感じられる事もあります。

膝関節においては、(1)膝関節の内側に付着している腱の部分、この部分は手術時、膝の左右へのバランスをとるために剥離したり切開していることも多くあります。(2)膝の皿(膝蓋骨)の下についている太い腱(膝蓋腱)が膝の下の骨(脛骨)に付着している部分(3)膝蓋骨の周囲など、に痛みを感じることがあります。

大腿痛について

手術後1〜2年間、大腿前面や外側に軽い痛みを歩行後に感じることがあります。これを大腿痛といいます。人工関節が骨の中で1ミリの100分の1以下という微小の動き(マイクロモーション)をしていることによる痛みでないか言われています。これは骨セメントを使わないセメントレス人工関節の場合によくみられます。これらの痛みは数年後軽くなる人がほとんどです。