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総合リハ部『栄養とリハビリテーション』研修会

平成27年1月24日、通算第14回目の総合リハビリテーションセンター研修会が開催されました。

今回のテーマは、
『栄養とリハビリテーション』です。

講師は、高齢者の栄養管理やがん患者の栄養管理などで大変ご高名な
上尾中央総合病院栄養サポートセンターセンター長の大村健二先生です。



講義は「高齢者の栄養管理」「適切な輸液処方」について前半にご説明いただき、
後半はメインテーマである「リハビリテーションと栄養」「運動と栄養」について、
大変わかりやすくお話しいただきました。

栄養管理が重要であることはリハビリスタッフも十分認識していますが、
病院で日常的に行われる栄養管理や医療の中で信じられていることが,
実は間違っていたということに気づかされ、目からウロコの情報をたくさんいただきました。

いくつかご紹介すると、前半部分は・・・
●加齢によって消化・吸収能は低下しない
●若年者と高齢者の摂取カロリーはほとんど変わらない
●高齢者でも脂肪の燃焼は障害されない

としたうえで、

●高齢者は若年者より多めの良質なたんぱく質を摂取すべきである
●高齢者の絶食や安静が必要かよく考えるべきである

と提唱されています。



さらに、リハビリテーション分野においては、

●高齢者の元気さの差は筋肉の量の差による
●運動が記憶力を高め認知機能の低下を防止する
●食品中のコレステロールは大変少なく、過剰摂取で動脈硬化が進むという証拠は全くない

としたうえで、

●リハビリの効果を増強する栄養素は豊富なたんぱく質、分岐鎖アミノ酸(BCAA)、ビタミンDである
●高齢者の骨格筋量を維持することは大変重要である
●リハビリテーションは、人間の尊厳を取り戻すことができる極めて重要な医療行為である

と締めくくられていました。



我々リハビリテーションスタッフの役割として、改めて高齢者に対する運動やエクササイズの重要性、
好きなものをしっかりと食べられる身体機能の獲得、
その先にあるQOLの向上と人間の尊厳回復のために力を注ぐべきであると強く認識することが出来ました。

今回学んだことを、医師、看護師、薬剤師、管理栄養士、歯科衛生士と協力し、
患者さんや施設の利用者の方へ還元できるようチーム全体で取り組んでまいりたいと思います。

今後もこのような有意義な研修会を継続し、スタッフの成長の糧としたいと思います。
お忙しい中、遠路よりお越しいただきました講師の大村先生に心より感謝申し上げます。

総合リハビリテーション部 理学療法士 今屋