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総合リハ部『脳卒中片麻痺患者の歩行改善のための理論と技術』講演会

11月7日、8日の2日間で第18回総合リハビリテーションセンター研修会が開催されました。

今回は、京都大学大学院 医学研究科 人間健康科学系専攻 大畑光司先生をお迎えし、
脳卒中片麻痺患者の歩行改善のための理論と技術』というテーマでご講演いただきました。

1日目は、歩行の基礎理論・メカニズムから始まり脳卒中患者の歩行再建について、更には装具の役割まで、先行研究や先生の研究結果を用いて具体的に説明していただきました。

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2日目は重心と床反力の関係を実技形式で学び、運動学習については神経科学の分野からわかりやすく説明していただきました。
そして、最後はご入院中の患者さんに協力していただき、ゲイトジャッジシステムという測定機器を用いた評価・介入の実演を行っていただきました。

全体を通して印象的だったのは、私たちが日々の臨床で疑問に思うことを、筋電図や関節角度などの数値で客観的に評価し、明確に説明されたことです。
講演の内容もとてもすっきりとしていて、納得して理解することができました。

また、患者さんへの実演では、徒手や動作筋電図の評価で主たる問題点を決定した後に、10分程度の運動療法を実施すると歩行速度が約半分に短縮しました。
わずか10分間のリハビリで患者さんの歩行姿勢がみるみる改善していくのを目の当たりにして興奮しました。

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講演中、大畑先生は「さまざまな歩行支援機器が開発されており、歩行再建に向けての支援技術は変わるかもしれないが、評価して使用方法を判断できるのはセラピストだけ」とおっしゃっていました。
運動学・解剖学・生理学を基盤とした結果を出せるセラピストになれるよう今後も努力したと思います。

講演終了後は、熊本ラーメンを一緒に食べさせていただきました。
休み無く働かれているにもかかわらず、疲れた様子を見せずにやさしく丁寧に話をしてくださる先生の姿を見て、理想のセラピスト像と重なりました。

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今後も総合リハセンターではいろんな分野のプロフェッショナルによる研修会を企画しています。
患者さんにより良いサービスの提供ができるよう、スタッフ一同、研鑽を積んでいきたいと思います。

総合リハビリテーションセンター 理学療法士 濱崎